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採用した人がすぐ辞めるのを防ぐには?求人票と実態の一致・入社後の受け入れ・適性検査で設計する

費用と時間をかけて採用した人が、数か月で辞めてしまう。中小企業ではよくある悩みです。早く辞める理由の多くは、入社前に聞いていた話と実際の違い、職場になじめないこと、仕事が合わないことの3つです。それぞれ、採用の段階から防ぐ設計ができます。

数字で見る早期離職

厚生労働省の調査(2025年10月公表)では、2022年3月に卒業して就職した人のうち、3年以内に辞めた人の割合は、大学卒で33.8%、高校卒で37.9%でした。会社の規模(事業所の規模)が小さいほど高く、大学卒では次のとおりです。

事業所の規模 3年以内に辞めた割合(大学卒)
5人未満 57.5%
5〜29人 52.0%
30〜99人 41.9%
100〜499人 33.9%
500〜999人 31.5%
1,000人以上 27.0%

業種では、宿泊業・飲食サービス業(大学卒55.4%)、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉、小売業が高くなっています。新卒の数字ですが、中途採用でも「小さな会社ほど、受け入れの仕組みが整っていない」という傾向は同じです。

理由1:聞いていた話と違う(求人票と実態のずれ)

  • 仕事内容:「事務」で入ったのに電話営業が多い、など。仕事内容は1日の流れで、実際の割合が分かるように書きます。
  • 残業:「残業少なめ」と書いて月30時間あれば、信頼を失います。月平均の実績を数字で書きます。
  • 給与:固定残業代(みなし残業)を含む場合は、基本給、固定残業代の額と何時間分か、その時間を超えた分は追加で払うことを分けて書きます。
  • 異動・転勤:2024年4月から、募集のときに「業務の変更の範囲」「就業場所の変更の範囲」を示すことになりました。「入社直後:○○営業所/変更の範囲:本社および全国の支社」のように、将来の可能性まで書きます。

求人票の情報は、正確で最新の内容に保つことが職業安定法で決められています。良く見せるより、正しく見せるほうが、結果的に辞めない人が集まります。

理由2:職場になじめない(受け入れの準備不足)

入社後の受け入れ(オンボーディング)は、計画表を作るだけで大きく変わります。

時期 やること
入社前 初日の集合時間・持ち物・服装を書面で送る。机・制服・アカウントを用意する
初日 職場の案内、1週間の予定を渡す、昼食を一緒にとる人を決める
1週間 相談役の先輩(指導役)を決め、毎日5分の振り返り
1か月 上司と面談。「聞いていた話と違う点はないか」を聞く
3か月 できるようになったことを確かめ、次の3か月の目標を決める

特に「聞いていた話と違う点はないか」を1か月目に聞くことが大切です。小さなずれのうちに話せれば、辞める前に手を打てます。指導役の先輩には、教える時間を仕事として認め、その分の業務を減らしておきましょう。指導役が忙しすぎると、新しい人は質問しにくくなります。

理由3:仕事が合わない(適性)

  • 面接で大変な点も先に伝える:夜勤がある、体力を使う、繁忙期は休日出勤がある。良い点だけ伝えて入社してもらうと、入社後のずれが大きくなります。大変な点を聞いたうえで応募を続ける人は、辞めにくい傾向があります。
  • 職場を見てもらう:現場職では、面接の前後に職場を見学してもらうと、入社後のずれが減ります。
  • 適性検査を配属と育て方に使う:ストレスへの強さ、人と関わる仕事への向き不向きなどを、面接の質問と、配属先・上司の組み合わせに生かします。結果だけで合否を決めず、面接で確かめる材料にします。

辞めた人に理由を聞き、次の採用に生かす

早く辞めた人がいたら、退職の手続きのときに、責める形ではなく次の3つを聞いておきます。

  1. 入社前に聞いていた話と、違っていたことは何か
  2. 入社してから、いちばん困ったことは何か
  3. どうなっていれば続けられたか

答えは、求人票(仕事内容・残業・給与の書き方)、面接での伝え方、受け入れの計画のどこを直すかに分けて記録します。退職の理由は本音を言いにくいため、直属の上司ではなく、人事や別の部署の人が聞くと話してもらいやすくなります。同じ理由が2人続いたら、仕組みの問題と考えて手を打ちましょう。

人材紹介を使うなら:返金の規定と定着の実績

人材紹介で採用した人が早く辞めた場合、紹介会社の返金規定(返戻金制度)によって、手数料の一部が戻ることがあります。入社1か月以内なら80〜100%、3か月以内なら30%前後が一般的ですが、会社ごとの差が大きく、返金の代わりに別の人を紹介する会社もあります。契約前に書面で確かめましょう。

厚生労働省の「人材サービス総合サイト」では、紹介会社ごとに、紹介で無期雇用で就職した人のうち6か月以内に辞めた人の数を調べられます。紹介した人がすぐ辞めていないかは、紹介会社を選ぶ材料になります。

早期離職を減らすチェックリスト

  1. 求人票の仕事内容を1日の流れで書いた
  2. 残業は月平均の実績を数字で書いた
  3. 固定残業代は、額・時間数・超えた分の支払いを分けて書いた
  4. 業務と就業場所の「変更の範囲」を書いた
  5. 面接で大変な点も伝えた
  6. 入社後3か月の受け入れ計画表を作った
  7. 入社1か月の面談で「聞いていた話と違う点」を聞く
  8. 紹介を使う場合、返金の規定を書面で確かめた

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